みどりの日: その変遷と昭和天皇の自然愛 – 日本の共生精神を祝う

国民の祝日シリーズ「みどりの日」についてわかりやすく解説しました 日本の「国民の祝日」について考えるシリーズ
国民の祝日シリーズ「みどりの日」についてわかりやすく解説しました
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今回は、日本の国民の祝日シリーズとして「みどりの日」について取り上げたいと思います。

「みどりの日」は春の大型連休(ゴールデンウィーク)のうちの1日ではありますが、この記事ではその意味内容を一緒に考えたいと思います。

なお、この記事の作成にあたっては、渡邉尚久たかひさ校長先生の講話を参考にしています。

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みどりの日の起源とその変遷

昭和時代の終わりと新たな始まり(平成元年(1989年))

「みどりの日」は、「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日」と「祝日に関する法律」で定められています。

この祝日の歴史は、昭和天皇の誕生日であった昭和天皇の天皇誕生日(4月29日)に始まります。

平成元年(1989年)の昭和天皇の崩御後に、昭和天皇が愛した自然の美しさと国民との共感を象徴する日として、この日の新たな意義を模索することになりました。

みどりの日の制定と移行(平成2年(1990年)-平成19年(2007年))

結果、平成2年(1990年)から平成19年(2007年)までの期間、4月29日は「みどりの日」として祝われることになり、自然への感謝と環境保護の意識を高める日とされました。

しかし、平成19年(2007年)の祝日法改正により、4月29日は「昭和の日」に変更され、「みどりの日」は5月4日に移行されました。

新たなみどりの日とその意義(平成19年(2007年)以降)

この変更は、ゴールデンウィークの期間中における連続した休日を生み出し、より多くの人々が自然と触れ合う機会を持てるようにとの考えから実施されました。新たな「みどりの日」は、自然への感謝を表し、その保護と持続可能な利用を促進するための意識を高めることを目的としています。

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みどりの日における活動と教育

「みどりの日」には全国で様々なイベントが行われます。これらのイベントは、自然保護活動、植樹祭、地域の清掃活動など、環境に優しい取り組みを促進することを目指しています。

みどりの日を含む期間中には、例年、新宿御苑でのガイドウォークや、国立科学博物館筑波実験植物園での特別公開、国営公園の無料入園日など、自然を身近に感じることができるイベントが多数開催されているようです。また、自然観察会や特別公開展示など、教育的要素を含んだイベントも多く開催されており、子どもたちから大人まで幅広い層が自然環境について学び、考える機会を得ることができます。

これらのイベントは、自然への理解と関心を深める絶好の機会を提供するものなので、ご家族などでぜひ楽しみながら学ぶことができます。

環境教育の強化

さらに、みどりの日は環境教育の強化にも寄与しています。

例えば、みどりの日が含まれている「みどりの月間(4月15日~5月14日)」では、環境省が自然環境の保全に貢献した個人や団体を対象に自然環境功労者大臣表彰を行っています。この期間中、全国各地で自然とのふれあいや環境保護、緑化に関するイベントが多数開催され、自然環境の保全活動や生物多様性の重要性への理解と関心を深めることを目指しています。

この日を通じて、多くの日本人が環境問題について学び、自然保護の重要性について深く考える機会を持つことができそうです。

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自然との共生を目指して

みどりの日の存在は、日本の文化における自然観の重要性を象徴しています。

日本人の自然観は、古来より自然との調和を重んじ、四季の変化を楽しむ文化に深く根ざしています。日本の自然観は神道の影響を受けており、山や川、岩など自然物に神が宿るという考え方から、自然に対して敬意を払う心が形成されました。このため、自然はただの資源ではなく、人間と共生するべき大切な存在と捉えられています。

日本人は、四季を感じ、四季についての多くの言葉を生み出し、それぞれの季節に合わせた祭りや行事を生み出しました。桜の花見や紅葉狩りなど、季節の移り変わりを感じることができる自然の風景を楽しむ習慣は、日本人の自然観を象徴する文化の一つです。また、日本庭園に見られるように、自然を模倣し、縮小して再現することで、自然美を日常の生活空間に取り入れる試みも、日本人の自然観の特徴の一つです。

自然との共生を大切にする日本人の自然観は、農耕文化にも現れています。米作りを中心とした農業は、水の恵みに依存しており、自然のリズムに合わせた生活や作業が求められます。そういえば、5月は場所にもよりますが、田植えの準備が始まるシーズンですね。

このように、日本人の自然観は、自然と調和しながら、その恩恵を受け、尊重し、感謝する心が根底にあります。

「みどりの日」を通じて、自然への敬意と感謝の心を育み、環境保全に対する意識を一層深めていくことが期待されています。

昭和天皇と自然

最後に、昭和天皇の自然についてのちょっとした有名なエピソードを紹介しましょう。

昭和天皇が愛された御座所の庭「広芝」は、野鳥が飛来する自然豊かな場所でしたが、草が生い茂りやすい問題がありました。

天皇皇后両陛下が夏休みから帰宮される際、侍従たちは見苦しくなった庭の草を刈ることにしましたが、戦後まもない時期人手不足で完全には整えられませんでした。

職員が、

「真に恐れ入りますが、雑草が生い茂っておりまして随分手を尽くしたのですがこれだけ残ってしまいました。いずれきれいに致しますから」

とお詫びをしました。

すると、昭和天皇は、普段の穏やかさとは異なる口調で、

「雑草という草はない。どの草にも名前があり、それぞれが好きな場所で生きている。人間の勝手な考えで切ってはいけない。」

と仰ったそうです。

昭和天皇のこういった想いは今上陛下にまで受け継がれています。

天皇陛下やこれまでの日本人が大切にしてきた自然との共生という考え方を大切にし、あらためて、その恩恵に感謝する、そんな1日にしたいですね。

みどりの日の過ごし方を提案!

みどりの日の過ごし方を10個考えてみました!

  1. 植樹活動に参加する: 地域で行われる植樹活動に参加し、緑の増加に貢献する。
  2. 自然散策を楽しむ: 近くの公園や森林でハイキングをし、自然の美しさを感じる。
  3. ガーデニング: 自宅の庭やベランダで植物を植えたり、手入れをすることで、自然との触れ合いを楽しむ。
  4. 野鳥観察: 双眼鏡を持って野鳥観察に出かけ、さまざまな鳥たちの生態を観察する。
  5. エコクラフトに挑戦: リサイクル素材を利用した工作活動に挑戦し、環境保護の大切さを学ぶ。
  6. 自然保護に関する書籍を読む: 環境問題や自然保護に関する知識を深めるために、関連する書籍や資料を読む。
  7. クリーンアップ活動に参加する: 地域の海岸や公園のクリーンアップ活動に参加し、美しい環境を保つ手助けをする。
  8. エコライフを実践する: エコバッグの使用や節水・節電など、日常生活で環境に優しい選択を心がける。
  9. 環境教育イベントに参加する: 環境保護に関するワークショップやセミナーに参加し、知識を深める。
  10. 自然の音を楽しむ: 自然の中で静かに過ごし、鳥の声や風の音など、自然の音に耳を傾ける。

せっかくの大型連休なので、ぜひ楽しみながら自然と共生していくことのありがたさを感じる機会としたいですね。

 

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