春分の日とは?をわかりやすく解説しました!

日本の祝日シリーズ「春分の日」 国民の祝日を考える
日本の祝日シリーズ「春分の日」をわかりやすく解説しました
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春の訪れは、自然の中で最も美しい瞬間の一つです。

この季節の変わり目は、世界中の多くの文化で祝われていますが、日本では特に「春分の日」と「お彼岸」を通じて、自然と先祖を深く敬う独自の伝統があります。

この記事では、春分の日とお彼岸の意味、起源、そしてこれらの日々をどのように過ごすべきかについて探ります。

なお、この記事は、「日本が好きになる!歴史授業」のプロデューサーである渡邊尚久先生の原稿を参考に作成いたしました。

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春分の日の意味と起源

春分の日の意味は? – お彼岸との違い

春分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈む日、昼夜の長さがほぼ等しくなる日です。

また、この日は二十四節気の一つでもあります。

したがって、季節の移り変わりを示す重要な指標になります。

ところで、国民の祝日に関する法律第2条において、「春分の日」は以下のように定義されています。

自然をたたえ、生命をいつくしむための日

国民の祝日に関する法律

春分の日は、春の彼岸の中日とされ、その前後3日間を含む7日間が春の彼岸期間となります。

お彼岸には何をするの?

もともと、お彼岸の時期というのは、この世とあの世がつながる日とされています。昼間は生きた人間が活動する時間帯であり、夜は神々や妖怪や死者などこの世には存在しないものが活動する時間とされています。そこから、昼の長さと夜の長さが同じになる春分の日は、この世とあの世が通じるとされ、先祖供養を行う日とされています。つまり、自分たちの思いや願いがそのまま伝わる日が春分の日と秋分の日なのです。これは、仏教が伝来する前から、日本古来の行事として先祖を敬う日でした。仏教が伝来した後、この行事も仏教で取り入れられ、「お彼岸」として行われるようになりました。

現実を見ても、ボチボチ桜が開花したり木々や花が芽吹いたりするなど、春の訪れを本格的に感じられる季節でもあります。

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お彼岸に行うべきこと

お墓参りに行こう!

お彼岸の期間には、多くの日本人がご先祖様のお墓参りをします。

この行為は、過去の世代への感謝と敬意を示すと同時に、自分たちの生活を見つめ直し、これからの生活をより良くする機会となります。

また、お彼岸の期間には、家族が集まり、先祖を偲びながらぼたもちなどの伝統的な食べ物を共に楽しみます。

お彼岸の食文化:ぼたもちとおはぎの意味

お彼岸に欠かせない食べ物といえば、ぼたもち(牡丹餅)とおはぎ(お萩)です。

これらは基本的には同じもので、季節によって名称が変わります。ぼたもち[牡丹餅]は春、おはぎ[お萩]は秋です。春は牡丹の花をイメージしてもらえると分かりますし、秋は秋の七草の1つである「萩」を連想するでしょう。使い分けはそのように覚えていただくのがよいでしょう。「日本が好きになる歴史授業」のプロデューサーでもある渡邊尚久先生のお話によると、「秋は収穫したばかりの小豆が使えて、皮まで柔らかく食べられることから、皮も一緒に炊いた「つぶあん」。春は、一冬越した小豆の皮が硬いため、皮を除いた「こしあん」を味わう」のが通な食べ方なのだそうです(渡邉尚久先生の記事より)。

おはぎ(秋)とぼたもち(春)は、先祖への供え物として、また、季節の変わり目を祝う特別な食べ物として受け継がれてきました。小豆を使用したこれらの食べ物は、赤い色が邪を払う力があるとされ、縁起が良いとされています。

春分の日をどう過ごそうか?

春分の日の楽しみ方をいくつか考えてみました。先ほどお墓参りの話を書きましたが、それ以外の過ごし方も考えてみました。

  1. 自然の中で過ごす: 春分の日は自然をたたえる日でもあるため、ハイキングやピクニックといったアウトドア活動に参加して、春の訪れを感じるのも良いでしょう。
  2. 春の花を楽しむ: 日本では桜の開花が春の象徴です。春分の日の周辺では桜の開花状況に注目し、花見の計画を立てることもできます。
  3. 家庭でのお祝い: お彼岸にちなんで家族でおはぎやぼたもちを作り、一緒に食事を楽しむのも素敵な方法です。
  4. 春のクリーニング: 冬の終わりを感じて家の大掃除を行うことで、新しい季節を清々しい気持ちで迎えることができます。
  5. 春分の日に関する本や文化を学ぶ: この日の意味や由来を学び、日本の文化や伝統について理解を深めます。
  6. ヨガや瞑想: 昼と夜の長さが等しくなるこの日は、バランスと調和の象徴とされます。ヨガや瞑想を行い、自己との調和を図るのもぴったりです。
  7. 春の料理を作る: 季節の食材を使った春の料理を作って、季節の変わり目を味わうのも一つの方法です。

いろいろと日本の祝日を楽しみましょう!

春分の日の変遷:祝祭日から国民の祝日へ

春分の日という国民の祝日の由来を紐解いてみると、もともとは春季皇霊祭しゅんきこうれいさいと呼ばれる宮中で天皇陛下が歴代天皇の霊を祭る重要な日なのです。今から1200年ほど前の「日本後紀」という我が国の正史である歴史書にも、現在とは形態は変化しているものの、春分や秋分についての内容が載っているのだそうです。

現在でも、皇居内にある皇霊殿こうれいでんと呼ばれる場所で、天皇陛下が歴代天皇や皇后陛下をはじめとする皇族などの御神霊に対して敬意を表する祭りが春季皇霊祭なのです。また、宮中では同じ日に神殿と呼ばれる場所で神殿祭というお祭りが執り行われ、八百万の神々へ敬意を表されます。ちなみに、八百万の神々とは、日本の神道における、自然界や日常生活のさまざまな側面に関わりを持つ、数え切れないほど多くの神々のことを指します。

明治6年(西暦1873年)10月14日第344号布告の「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」によって祝祭日が定められましたが、春季皇霊祭と秋季皇霊祭は明治11年(西暦1878年)6月5日の法改正の時から祝日に加わりました。大東亜戦争に敗れてGHQの占領下の中で天皇と国民の絆が感じられるものが廃止されていく中で「春季皇霊祭」と「秋季皇霊祭」は、それぞれ「春分の日」と「秋分の日」という祝日に変わりました。

このように、春分の日は先祖供養を行う重要な日であり、私たちも先祖供養をすべき日であるため、祝日になっているのです。

春季皇霊祭について

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春分の日を通じて考える:日本の伝統と未来

春分の日は、自然のリズムと祖先への敬意を重んじる日本の文化を象徴しています。

現代においても、これらの日々を通じて、私たちは自然とのつながり、家族や社会との絆を再確認し、未来への思いを新たにする機会を得ることができるはずです。

齋藤武夫先生の「日本が好きになる!歴史授業」をもとに作成した投稿です

また、これらの伝統を大切にすることで、日本独自の文化的アイデンティティを守り、伝えていくことができます。

春分の日を迎えるにあたり、私たちは先祖への敬意を表し、自然との調和を目指して生活することの重要性を、改めて心に留めるべきです。

この時期に行われる様々な行事や習慣は、日本の豊かな文化遺産の一部であり、次世代に受け継がれるべき貴重な財産です。

 

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