海の日:海の日の意義と祝日の変遷について

海の日についてわかりやすく解説しました 国民の祝日を考える
海の日についてわかりやすく解説しました
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今回は、国民の祝日の1つである「海の日」について紹介したいと思います。

なお、この記事は船橋市内の小学校で校長を務めている渡邉尚久先生のお話を参考に作成いたしました。

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海の日の歴史と起源

海の日の起源

平成8年(西暦1996年)に制定された「海の日」は、日本の国民の祝日として広く認識されています。

しかし、その本来の意義と設立の背景について知る人は少ないかもしれません。

時は明治9年(西暦1876年)、明治天皇は新政府による新しい政治体制が始まったばかりで、国内の統治権を固める必要がありました。そこで、明治天皇が地方を巡幸することで、

  1. 新しい時代がやってきたことを国民に知らしめる
  2. 皇室と国民の結びつきを強める

といった効果がありました。つまり、明治天皇の東北巡幸は、新たに成立した明治政府が国内の統治基盤を強化し、国民との結びつきを深めるための重要な巡幸でした。

東北巡行を終えて、明治9年(西暦1876年)7月20日に明治天皇が東北巡幸を終え、明治天皇を載せた「明治丸」が横浜に帰港しました。

この日を記念して、昭和16年(西暦1941年)に「海の記念日」として設けられました。日本が海洋国家としての誇りと繁栄を祝うために選ばれたのです。

祝日変更の背景

「海の記念日」が国民の祝日になったのは、平成7年(西暦1995年)2月に「国民の祝日に関する法律」の一部改正が行われたことがきっかけでした。平成8年(西暦1996年)から7月20日を海の日として制定されました。ちょうどアトランタオリンピックが開催された年とその時期でした。

しかし、海の日が7月の第3月曜日に変更されます。平成15年(西暦2003年)からです。この時にハッピーマンデーが導入されました。これは長期の連休を確保し国民がレジャーを楽しむ機会を増やすことが目的でした。

しかし、この日付の変更は、本来の意味や歴史的背景から離れる結果となり、祝日の本質的な価値を希薄化してしまったとの批判があります。

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海の日の意義

ところで、日本にはいくつの島で成り立っているかご存知でしょうか?

日本は、6852の島々から成立する島国です。

この地理的特性が、古来から日本の歴史、文化、経済を海と深く結びつけています。海の日は、このような海からの恵みに感謝し、海とともに繁栄する未来を願うことを目的とした日なのです。

海の日と日本の国益

一見すると、日本はその陸地面積から見ると狭い国のように感じられるかもしれません。

しかし、実は日本は陸上のみならず海にも及んでいます。驚くべきことに、日本の領海及び排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone)は、世界で第6位の広さを誇っています。ここには多くの無人島も含まれています。

これは、日本が国土面積だけではなく、海を通じても広大な「海の国」であることを示しています。日本の文化や食、経済活動が海と深く連携しているのは、この広大な海域に支えられているからです。日本周辺のこれらの海は、ただの水の体積ではなく、国の豊かさや多様性を形作る貴重な資源です。つまり、日本の海は日本の経済活動だけでなく、生物多様性の保全や科学研究にも不可欠なのです。

海の日は、これらの海域を通じて日本が直面するさまざまな課題と機会に注目する絶好の機会です。

海の日の現代的な役割

今日、海の日はただの休日ではなく、環境保護と持続可能な海洋利用に対する意識を高める日としても機能しています。

気候変動、海洋汚染、過剰漁業といった問題は、日本だけでなく世界中の国々にとって重要な課題です。この祝日を通じて、これらの問題に対する認識を深め、行動を起こすきっかけとすることができます。

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海の日にどんなことを学んだらいいの?

海の日に学ぶと有益なテーマは多岐にわたります。以下は、特に注目して学ぶ価値があるいくつかのポイントです。

1. 海の日の歴史と意義を学んでみる

  • 海の日の起源:海の日がいつ、どのような経緯で制定されたかを理解する。
  • 祝日としての意義:海の日がどのような目的で設けられ、何を祝うための日なのかを学ぶ。

2. 日本の地理的特性を学んでみる

  • 島国日本:日本がいくつの島々から成り立っているか、それらがどのような地理的・生態学的特性を持っているかを探求する。
  • 領海と排他的経済水域(EEZ):日本の領海やEEZの広さとその世界的なランキング、これらが日本の経済にどのように貢献しているかを学ぶ。

3. 海洋環境の保護について学んでみる

  • 海洋汚染問題:プラスチック汚染や化学物質の流出が海洋生態系に与える影響について学ぶ。
  • 持続可能な海洋利用:漁業や海洋資源の持続可能な利用方法について考える。

4. 海洋生物の多様性について学んでみる

  • 生物多様性:日本の海域に生息する様々な生物について学び、その生態系の複雑さと重要性を理解する。
  • 絶滅危惧種:海洋に生息する絶滅危惧種とその保護策について学ぶ。

5. 海洋と日本文化について学んでみる

  • 海と日本の食文化:海産物が日本の食文化、特に地域ごとの特色ある料理にどのように利用されているかを学ぶ。
  • 歴史的な海の役割:海が日本の歴史、特に国防、貿易、文化交流にどのように影響してきたかを調べる。

これらのトピックを学ぶことで、海の日の意義を深く理解し、海洋への感謝と責任を持った行動を促す知識が身につきます。これは、未来の世代が持続可能な方法で海を利用し、保護するための基盤となります。

まとめ

海の日は、日本がどのようにしてその海洋と共生し、それを守っていくかを考える重要な日です。

海の日を通じて、私たち一人一人が海の持つ価値を再評価し、その保護と持続可能な利用のために何ができるかを考える機会を持つべきですね。

 

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