今回は、日本国憲法第16条の条文穴埋めの解説をしながら、「請願権」についての解説をしていきます。
憲法条文穴埋め解説シリーズは、試験でよく出そうな日本国憲法の条文を解説するシリーズです。
まずは問いに答えて、それから解説を読みます。さらに、発展的な内容については<発展>という項目で解説を試みます。社会科が苦手だなと思う人は<解説>まで。得意だという人は<発展>まで読んでみてください。
復習は、条文を音読し、間違えた場合は正解を覚えましょう。空欄のまま条文が読めるようになれば合格です。
日本国憲法第16条(穴埋め問題)
第十六条
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に( )する権利を有し、何人も、かかる( )をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
日本国憲法第16条(解答)
第十六条
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
日本国憲法第16条(解説)
今日は請願権という言葉の意味が分かればOKです。
請願権は基本的人権の1つです。
まずは樹形図を見てください。
請願権は基本的人権の中の受益権の中にありますね。2つの図を連携させて確認してみてください。
条文の中にある「請願(せいがん)」とは、国や地方公共団体に対して希望、苦情、要請を申し出ることです。また、「平穏に」とは暴力などを用いないということです。この請願は、日本人だけでなく外国人にも認められています。具体的には、請願法という法律で手続きについて規定が設けられています。
請願法
(昭和二十二年三月十三日法律第十三号)
第一条
請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。
第二条
請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。
第三条
第1項 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
第2項 請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。
第四条
請願書が誤つて前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。
第五条
この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。
第六条
何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
附 則
この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
請願法の内容は覚えなくてもよいです。付録です。