衆議院と参議院はなぜある?憲法第42条に見る二院制の重要性

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国会で行われる重要な議論や決定…。

その舞台裏には、憲法の規定に基づいた厳格なルールがあります。

日本国憲法第42条は、日本の国会がどのように構成されているかが書かれています。

この日本国憲法第42条をしっかりと理解するために、条文の穴埋め問題を用意しています。ぜひ、問題に挑戦してみてください。条文を通じて、私たちの政治がどのように動いているのかを一緒に学んでいきましょう!

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日本国憲法第42条(穴埋め問題)

第四十二条  国会は、(  )及び(  )の両議院でこれを構成する。

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日本国憲法第42条(解答)

第四十二条  国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

日本国憲法第42条(解説)

統治機構の条文を見る際の前提

統治機構の勉強をする場合には全体像を把握しながら学習をしていきましょう。

日本型ガヴァナンスの図
日本型ガヴァナンスの図

権力分立の話をする場合、必ず上の図が頭に入っていなければなりません。「権力者」の中の話をしているのだという前提が必要です。

その上で、「国会」「内閣」及び「裁判所」の条文や制度を勉強する場合には、必ず「権力分立」の図を頭に置きながら、どこの機関の何の話をしているのかを全体像を見ながら勉強してください。これは「国会」「内閣」及び「裁判所」を勉強するときの地図のようなものだと思ってください。

国会は二院制

国会は2つの会議体から成立します。その名前が衆議院及び参議院です。

衆議院と参議院は別の会議体です。独立した会議体です。選挙も別で行われ、議員も別です。法律案が通るためには、衆議院と参議院の2つの会議体で可決されないといけません。衆議院と参議院とで異なる議決になってしまった場合はどうなってしまうのかについては、憲法の中で別の条文に定められています。

そもそも「なぜ国会は二院制を採用しているのでしょうか?」

そもそも日本国憲法において、国会はなぜ二院制を採用しているのでしょうか?議決のスピードが遅くなり、国民に不利益になるのではないかと疑問が出てきます。

それなのに日本では二院制が採用されています。それはどうしてなのでしょうか?

それを最高裁判所が平成24年10月17日に述べた文章の中から読み取ってみましょう。


議院内閣制の下で,限られた範囲について衆議院の優越を認め,機能的な国政の運営を図る一方,立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限を与え,参議院議員の任期をより長期とすることによって,多角的かつ長期的な視点からの民意を反映し,衆議院との権限の抑制,均衡を図り,国政の運営の安定性,継続性を確保しようとしたものと解される。

最大判平成24年10月17日

衆議院と参議院の関係について読み取ることができたでしょうか?それではまとめてみていくことにしましょう!

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最高裁判所の文章を踏まえて、次のような理由を導くことができると思います。

  • 多くの事柄について衆議院と参議院はほぼ等しい権限を与えられている。
  • 参議院議員の任期をより長期とすることによって,多角的かつ長期的な視点からの民意を反映している。
  • 衆議院との権限の抑制や均衡を図ることで、審議を慎重に行うことができ、権力の濫用を防ぐことができる。

国会で決められる法律は国民の生活に直結する重要なものです。場合によっては法律が作られることで国民に負担がかかるものだってあります。慎重な審議が必要だという点は大きく頷けるのではないでしょうか。

衆議院と参議院の共通点や活動の原則

衆議院と参議院の共通点や活動の原則について挙げてみます。日本国憲法を読んだことのある中学生や高校生は復習だと思って書き出してみましょう。

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それでは列挙してみます。

  1. 衆議院も参議院も「全国民を代表する選挙された議員」によって構成されています。(憲法第43条
  2. 衆議院と参議院はそれぞれ独立した議事を行い、議決を行います。これを独立活動の原則と呼ぶことがあります。憲法の条文上の直接的な根拠はありませんが、二院制であることから当然に導き出される原理であって、実際もそのように運用されています。
  3. 衆議院と参議院は同時に召集され、同時に閉会されます。これを同時活動の原則と呼ぶことがあります。憲法の条文上の直接的な根拠はありませんが、二院制であることから当然に導き出される原理であって、実際もそのように運用されています。

衆議院と参議院の違い

逆に衆議院と参議院との違いはどこにあるのでしょうか?

比較点衆議院参議院
議員定数465人245人
任期4年
(衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了)
6年
(3年ごとに半数改選)
選挙権満18歳以上満18歳以上
被選挙権満25歳以上満30歳以上
選挙区小選挙区・・・289人
全国を289区
比例代表・・・176人
全国を11区
選挙区・・・148人
原則都道府県単位45区
(鳥取県・島根県、徳島県・高知県はそれぞれ2県の区域で1選挙区)
比例代表・・・100人
全国を1区
解散ありなし

上の表は、試験対策として表のタイトル以外の部分を隠して言えるようにしておく必要があります。

なお、衆議院と参議院との関係で試験対策として最も大切なのは衆議院の優越の問題です。その点については別項で扱いたいと思います。

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