日本国憲法条文穴埋め解説 – 憲法前文第2段落について

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日本国憲法条文シリーズ
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憲法条文シリーズは、試験でよく出そうな日本国憲法の条文を解説するシリーズです。

まずは問いに答えて、それから解説を読みます。さらに、発展的な内容については<発展>という項目で解説を試みます。社会科が苦手だなと思う人は<解説>まで。得意だという人は<発展>まで読んでみてください。

復習は、条文を音読し、間違えた場合は正解を覚えましょう。空欄のまま条文が読めるようになれば合格です。

なお、ここの解説は、憲法第9条の解説とあわせて読んでいくと、より高いレベルでの理解が得られます。

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日本国憲法前文第2段落(穴埋め問題)

日本国民は、恒久(こうきゅう)の( )を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、( )を愛する諸国民の( )と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、( )を維持し、( )と隷従、( )と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、( )のうちに生存する権利を有することを確認する。  

今から答えを示しますが、最終的には上の<問い>にあるようなカッコがある状態で日本国憲法が音読できるようにするとよいです。

日本国憲法前文第2段落(解答)

日本国民は、恒久(こうきゅう)の平和を念願(ねんがん)し、人間相互(にんげんそうご)の関係を支配する崇高(すうこう)な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正(こうせい)と信義(しんぎ)に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制(せんせい)と隷従(れいじゅう)、圧迫(あっぱく)と偏狭(へんきょう)を地上から永遠に除去(じょきょ)しようと努めてゐる国際社会において、名誉(めいよ)ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖(きょうふ)と欠乏(けつぼう)から免(まぬ)かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 

* 難しいと思われる漢字にはカッコ書きで振り仮名を書いています。

日本国憲法前文第2段落(解説)

第2段落は平和主義について書いてありますね。教科書などには、日本国憲法の三大原則として、

  1. 国民主権
  2. 基本的人権の尊重
  3. 平和主義

があげられていますが、その1つの平和主義が1段落使ってたっぷりと書いてあります。簡単にコメントを…。

「日本国民は、恒久(こうきゅう)の平和を念願(ねんがん)し、」について

「恒久」というのは、「ずっと」ということ。「日本国民は永遠の平和を願っています」と言っています。

「人間相互(にんげんそうご)の関係を支配する崇高(すうこう)な理想を深く自覚する」について

「崇高」というのは別の言葉で言い換えれば「偉大だ」ということ。平和主義は偉大だということです。

平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」について  

「公正」というのは、はっきりとして正しいという意味。「信義」というのは、約束をきちんと果たすことを意味します。

「われらの」という部分はもちろん「日本国民」のことです。

要するに、日本国民の安全と生存は、「平和を愛する”諸国民”」を信頼して保持しようと言っています。「諸国民」とは日本人のことではありません。日本人以外の外国人のことです。日本の安全と生存は外国人を信頼して保持しましょうと言っています。何かヘンですね。自分の家の防犯は隣の家の人に守ってもらうんですかね?おかしいですよね。自分の国のことは自分で守るのが本筋でしょうね。

ここのあたりは、本当は日本国憲法ができた時の歴史をしっかりと学んでおかないとここのホントのところは分かりません。それはまた別の記事で!

「われらは、平和を維持し、専制(せんせい)と隷従(れいじゅう)、圧迫(あっぱく)と偏狭(へんきょう)を地上から永遠に除去(じょきょ)しようと努めてゐる国際社会において、名誉(めいよ)ある地位を占めたいと思ふ。」について

「専制」とは、物事を独断で(一人で勝手に)政治をすることです。「隷従」とは、言いなりになって従うことをいいます。「専制と隷従」をセットで考えれば、「一人の独裁者に無理やり従うような社会」のことを指します。それから、「圧迫」とは強く押し付けることです。「偏狭」とは辞書を引いてもちょっと分かりにくいです。日本国憲法の英語の原文を見ると、intolerance (イントレランス)という単語を翻訳して「偏狭」としているようです。intoleranceとは「不寛容」、つまり宗教の違い、人種の違い、考え方の違いを認めあわない社会のことですね。で、これらを永遠に除去しようと努力している国際社会において、日本国民は名誉ある地位を占めたいと言っています。

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖(きょうふ)と欠乏(けつぼう)から免(まぬ)かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」について

一般的に、平和的生存権(へいわてきせいぞんけん)について書かれた文だと言われています。

憲法9条の条文解説といっしょに見ると、平和主義が分かっていただけると思います。

日本国憲法前文第2段落(発展)

ここからは塾長の意見です。ここは学校ではありませんから、一人の意見として書かせていただきます。

憲法第9条では、「戦争の放棄」、「戦力の不保持」及び「交戦権の否認」が書かれています。一方で、前文の第2段落では「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう」と言っています。戦力を持たず、外国を信頼して日本の安全と生存を保持していきましょうと言っているのです。「平和を愛する諸国民」ってどこにいるのでしょうか?誰のことを指しているのでしょう?日本の近くにあるどこぞの国は、毎日のように日本の近海を荒らしにやってきます。日本の漁師さんは安心してお魚を捕って生活できるのでしょうか?また、日本の領土に不法にやってきている人たちもいます。これがいま日本に起こっている現実です。このように「平和を愛する諸国民」とやらが考えられない状態でどのように国を守っていくのかが憲法に全く書かれていません。私たち日本国民はどうやって身を守っていけばよいのでしょうか。日本は独立国なのですから、その気概がなければならないと思いますね。

世界の歴史を見ても、ずっと戦争のない世界であった状態は1秒たりとも存在しません。そのような中で、日本が自国民の命や安全をどうやって守っていったらよいのかをきちんと考えながら、こういった「平和主義」の勉強をしたいものです。

 

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