日本国憲法条文穴埋め問題解説 憲法第39条について – 事後法の禁止(刑罰不遡及の原則)について

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今回は、憲法第39条の穴埋め問題を解きながら、「事後法の禁止」についてわかりやすく解説をしていきます。「事後法の禁止」は、「刑罰不遡及(けいばつふそきゅう)の原則」とも呼ばれます。

憲法条文穴埋め問題解説シリーズは、試験でよく出そうな日本国憲法の条文を解説するシリーズです。

まずは問いに答えて、それから解説を読みます。さらに、発展的な内容については<発展>という項目で解説を試みます。社会科が苦手だなと思う人は<解説>まで。得意だという人は<発展>まで読んでみてください。

復習は、条文を音読し、間違えた場合は正解を覚えましょう。空欄のまま条文が読めるようになれば合格です。

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日本国憲法第39条(穴埋め問題)

第三十九条
 何人も、( )の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、( )の責任を問はれない。又、( )の犯罪について、( )刑事上の責任を問はれない。 

日本国憲法第39条(解答)

第三十九条
 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。 

日本国憲法第39条(解説)

憲法39条前段

まずは憲法第39条の最初の文について解説します。

何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。

犯罪行為があった時に罰せられなかったものが、後で作られた法律によって刑事上の責任を問われることはないと言っています。

ちょっと分かりにくいので具体例を出しましょう。いまは不倫をしても罪にはなりません。なぜならば、刑法に書いていないからです。道徳的に悪いことだとしても、刑法に書いていなければ犯罪になりません。これが罪刑法定主義という考え方でしたね。

その後、ある時国会で「不倫をした者は懲役1年以下の刑罰を与える」という条文ができあがったとします。しかし、この条文の効力が発生する前に不倫をしていた人は罰せられない、ということです。

憲法39条後段

 続いて39条の後半の文についての解説です。

同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

同じ犯罪について何度も処罰されないということです。

たとえば、ある人が殺人をしました。そして刑事手続きで罰せられました。その後、またその同じ事件について罰せられることはないということです。

憲法第39条の条文の意味

この条文が設けられたのは、「人身の自由 (身体的自由)」の保護です。

基本的人権の内容
基本的人権の内容
自由権の内容
自由権の内容
身体的自由権の内容
身体的自由権の内容

憲法39条は、刑事上手続きの保障の一種です。以前は犯罪ではなかった行為が突然犯罪になってしまって処罰されたり同じ事件について何度も罰せられたりするのはよろしくないことです。なぜならば、刑事手続きが始まると拘留(こうりゅう)されたりして身体的な自由が制限されてしまいますが、不当な理由で身体を拘束されることは基本的人権の侵害行為ですね。

憲法の条文は単に読んでいるだけでは理解がなかなか進みません。常に全体像を見ながら細かい言葉を見るという姿勢で条文を読んでいくと相当に理解が深まりますので、このブログのように条文の理解を進めてみてくださいね。 

 

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