今回は、世界の旧石器時代と新石器時代の特徴についてわかりやすく解説していきます。
人類と他の動物との違いの1つとして、道具を使うという点がありました。確かにチンパンジーなども道具を使うことはありますが、精度という面では人類の方がはるかに高いものを作って使用しています。
特に石器の発展は人類の発展に大きくつながりました。
旧石器時代と新石器時代という言葉があります。これらの時代の違いに気をつけながら読み進めていってください。
旧石器時代
打製石器を最初に使い始めるようになったのは!?
今から約250万年前に、アウストラロピテクスが打製石器(だせいせっき)を使っていたことが発掘&研究の結果で分かっています。これが人類で最古に打製石器が使われ始めたのだということになっています。
ところで、打製石器というのは石を打ちかいて作られた石器のことを言います。石を打ちかいて作るので石が鋭くなります。だから、狩猟の際に武器として使われたり、植物の採取の際に刃物として使われるようになりました。
最初の頃は石の一部を打ちかいて作る程度のものでしたが、次第に石材を全面的に加工して形を整えられたりするものや打製石器と他の道具とを組み合わせてナイフなどを作ったりと時代を経るにつれて高度なものとなっていきました。
このように打製石器が発展した時代を旧石器時代(きゅうせっきじだい)と呼びます。
旧石器時代は地球が寒く、マンモスやナウマン象などの大型動物を求めて狩猟をしていたという背景を知っておきましょう。地球の気候に着目して、氷河時代と呼ばれることもあります。
旧石器時代はいつまで続いたのかというと、後述する新石器時代を迎える今から約1万年前まで続きました。
骨角器の使用
旧石器時代の頃、動物の骨や角を使った骨角器(こっかくき)と呼ばれる道具も使われていました。漁撈(ぎょろう)や狩猟でよく使われていたそうです。
日本における旧石器時代
日本には旧石器時代があったのでしょうか?
それについては、こちらの記事をご覧ください。
新石器時代について
磨製石器の登場!
今から約1万年前ぐらいになると、地球は温暖化していきました。海面が上昇し、陸続きだったところが海になったりしていきました。動物も大型動物から小型動物へと変化していきます。打製石器もこれまでとは異なるものが使われ始めましたが、砥石(といし)を使って石を磨いて表面がなめらかになった石器も使われ始めました。これを磨製石器(ませいせっき)と言います。
農耕・牧畜の開始
また、気候が温暖化したことから、農耕・牧畜を始めるのに適した気候になりました。暮らしている動物が大型動物から小型動物へと変化していったので、食料事情の変化も農耕・牧畜が始まったきっかけとなりました。
農耕が始まると、長期にわたるの食料が採れたりするので、それを保存するための磨製石器や土器が使われるようになりました。
また、多くの食料を持っているとそれが貧富の差が生まれたりします。また、食料をめぐる争いも起こるようになるので、共同生活を守っていく組織が作られるようになります。これが国家の始まりです。
このように、磨製石器が使われ、農耕・牧畜が始まった時代のことを新石器時代(しんせっきじだい)と言います。
時代が経るにつれ、銅とスズの合金である青銅器や鉄器も生まれ、やがて文字が生まれていくようになるのです。
次は文明のおこりを見ていくことにしたいと思います。
日本における新石器時代
世界では新石器時代をむかえていた頃、日本でも磨製石器が使われるようになっていましたが、農耕・牧畜は行われていませんでした。その代わりに独自の文化が生まれました。これが縄文文化です。