憲法第61条を解説 – 条約の締結の承認(衆議院の優越)

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日本国憲法条文シリーズ
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今回は、日本国憲法第61条の条文の穴埋め問題を解きながら、「条約締結の承認」の条文についてわかりやすくまとめてみました。

憲法条文穴埋め問題解説シリーズは、試験でよく出そうな日本国憲法の条文を解説するシリーズです。

まずは問いに答えて、それから解説を読みます。さらに、発展的な内容については<発展>という項目で解説を試みます。社会科が苦手だなと思う人は<解説>まで。得意だという人は<発展>まで読んでみてください。

復習は、条文を音読し、間違えた場合は正解を覚えましょう。空欄のまま条文が読めるようになれば合格です。

今回は穴埋め問題ではありませんが、日本国憲法第60条と一緒に復習するようにしましょう。

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日本国憲法第61条(問題)

日本国憲法第61条の条文は以下の通りです。

条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

条文上にある「前条第二項」とは、日本国憲法第60条のことを指します。これを「準用」すると言っています。準用とは似ているので同じように条文を使いましょうという意味です。

日本国憲法第61条を素直に読めば、「前条第1項」は準用されないが「前条第2項」は準用されると読むことができます。

どのような内容が準用され、どのような内容が準用されないのかを、日本国憲法第60条の条文を参考にしながら説明しなさい。

日本国憲法第60条の解説

日本国憲法第61条(解答)

前条1項とは予算先議権のことであり、条約の締結に必要な承認の場合には衆議院の先議権はない。

一方、前条第2項の内容を条約締結の承認の規定に当てはめると、条約の締結に必要な承認をする場合に衆議院と参議院が異なった場合の取り扱いは、日本国憲法第60条と全く同じである。

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日本国憲法第61条の解説

統治機構の条文を見る際の前提

統治機構の勉強をする場合には全体像を把握しながら学習をしていきましょう。

日本型統治の図
日本型統治のあり方

権力分立の話をする場合、必ず上の図が頭に入っていなければなりません。「権力者」の中の話をしているのだという前提が必要です。

日本型統治のありかた「シラス政治」の解説は別のコンテンツにあるので参照してください。日本の教科書からはほぼ抹殺されていますが、とても大切な考え方です。

シラスとウシハクの政治体制について

その上で、「国会」「内閣」及び「裁判所」の条文や制度を勉強する場合には、必ず「権力分立」の図を頭に置きながら、どこの機関の何の話をしているのかを全体像を見ながら勉強してください。これは「国会」「内閣」及び「裁判所」を勉強するときの地図のようなものだと思ってください。

日本の権力分立

条約の締結から承認までの大まかな流れ

基本的には、予算案の審議を規定した憲法60条とほぼ同じ手続きを踏むと考えてOKです。

条約の締結(事後承認の場合)
条約の締結(事後承認の場合)

 注意点は次の2点です。

  1. 国会の承認は、内閣が条約の締結の事前または事後のどちらでもよい。
  2. 衆議院から審議を開始するというハナシはない。

この点を注意しておけば、あとは「予算と同じ!」と覚えておけば、これ以上深く勉強する必要はありません。

日本国憲法第60条と同じく、こちらも憲法が認めている「衆議院の優越」の事例の1つです。

 

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